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スウェーデン留学記録①

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はじめまして。西山です。
現在大学を休学してスウェーデンのフォルケホイスコーラに留学をしています。ここでの様々な経験や気づきを忘れてしまう前に形に残せたら、誰かと共有できたらと思い、こちらで投稿させていただくこととなりました。初回の投稿は私がスウェーデンに来て最初に感じた日本との違い、「自然」についてお話ししたいと思います。

みなさんは自然享受権(allemansrätt)という言葉をご存じですか?これは自然を壊したり自然に危害を与えたりしない限り、誰もが自由に土地に立ち入り、自然の中のどこでも自由に過ごせる権利のことです。スウェーデンでは国籍に関係なく全員に対してこの権利があります。

留学前の私は自然が好きと言っていましたが、実際のところは綺麗な写真を見て「いいな~」と思ったりドライブの途中で車を降りて景色を楽しんだりという程度。自然を満喫する=アクティブ、アウトドア、体力必須!!という方程式が頭にあり、興味はあるけど自分には向いてないと思っていました。しかしスウェーデンに来てから自然との距離がぐっと縮まり、自然を楽しむってこういうことか!と思うことが何度もありました。

まずは、ベリーなどを自分でとってそのまま食べるという経験。友達と森の中を散歩しながらベリーを探して、たくさんあるところを見つけては摘んで食べて、また別のところへ、、、

「これめっちゃ赤い!!」「こっちの方がおいしいよね!?」なんて会話をしながらとっても楽しい時間でした。今までの自分だったら汚いかもと思ってしまっていたし、そもそも食べるという発想自体ありませんでした。しかし、一度食べてみたら本当に甘くておいしくて!!

また、スウェーデンに来てから一か月ほどが経った頃にスウェーデン人の先生と国立公園に行く機会があったのですが、木の上のリンゴを見つけて先生が「あれ美味しそうだよ!取ってみたら?」と。一か月で完全に感覚が変わっていた私は「確かに!」と言ってよじ登って取ったのですが今振り返ると留学前の自分ではありえなかった行動です、、でもあの時食べたリンゴは今までで一番おいしかった‼

小さいけれど真っ赤でおいしい(食べかけですみません)

さらに、今いる学校には洋梨の木があって9月頃は食べごろのものがボトボト落ちてきていたので友達と小腹が空いたと言っては拾いに行っていました笑 学校が提供してくれる朝ごはんの場にも学校の敷地内で拾ったであろう洋梨がかごに山盛りにあって、自分でとって食べるということが本当に当たり前なのだなと感じました。

そして、自然の「中」に入っていく感覚。留学前の私は自然といっても整備された安全な道や場所ばかりを好んでいて、目の前に雄大な自然はあるけれど常に自然を「見学」しているような感覚でした。そんな私がスウェーデンで、ある自然保護地区に言った時のこと。バスから降りて気持ちいいね~などと話していたら友達は道を外れてずんずんと森の中へ。私は少しどきどきしながらついていったのですが、歩いているうちに地面の柔らかさを感じたり何が生えてるのか近づいて見てみたりするのが段々と楽しくなっていきました。気がつくと大きな池があるひらけたところまで来ていて、ふと後ろを振り返ると整備された道は見えず、前も後ろも足元もすべてが自然に囲まれていて。どこか不思議だけどとても心地よい、しばらくの間ぼーっとしておきたくなるはじめての感覚は今でも忘れられません。

様々な体験をしてスウェーデンでの自然とのかかわり方が好き!と思うのですが、日本と違うと思った点が特に二つあります。

ひとつ目は自然を楽しむ上での知識の違いです。ずんずん自然の中を進んでいったりベリーを摘んでいったりするスウェーデン人の友達ですが食べれないものや行ってはいけない場所の判断が素早くて切り替えがとても上手です。私がスウェーデンで自然を楽しめているのは知識のある友達と一緒にいたからで、きっと私一人だったら怖くてどのベリーも食べれず、戻る場所が見えない不安で落ち着くことはできなかったと思います。友達に聞いたところ、特別に勉強したのではなく小さいころから自然を楽しんできたなかで覚えていったとのこと。それを聞いて私は、危ないから怖いからとただ距離をとりながら自然と関わってきた自分の過去を思い出して少しドキッとしてしまいました。経験を通して得た知識があるということは自然を楽しむ上での義務や責任をきちんと背負う準備ができているということで、そういう人が多いからこそスウェーデンではこの自然の楽しみ方が成り立っているのかもなと感じました。

ふたつ目は人の暮らしと自然の近さ。先月学校の長期休みがありヨーロッパ旅行を一週間ほどしたのですが、何か雰囲気が違うとずっと感じていました。観光地で人が多いからかなーなどと思っていたのですがスウェーデンに戻ってきたときに、「自然が近い(し多い)!!」と気づきました。私自身の肌感覚ではあるのですが、スウェーデンでは大きな街であっても広い公園や自然が多く日常生活に溶け込んでいる気がします。地図を見ずに街歩きを楽しんでいたらいきなり木がたくさん生えている公園(ほんとに森みたい)があらわれて驚いたことも何回か。また、木陰や池の周りなど、ここここ!というところにベンチがよく置かれている気がします。だからこそ都会であってもちょっと自然感じながらのんびりしようか~が実現して、自然が身近になるのだと思います。

第3の都市マルメの大きな公園、きれいに剪定されていて違う場所に迷い込んだような不思議な気持ち

第2の都市ヨーテボリの大きな公園、ここではリスも見つけました

留学生活も4か月目になり楽しいこともたくさんですが言語や文化の違いなどで人と接することが疲れてしまうことももちろんあります。そんな時、自然の中でぼーっと時間を過ごすことは本当に自分を助けてくれていて、この環境にいれることもこの自然との関わり方をスウェーデンで知れたことも本当に良かったなと感じます。(私の体力は全くもって変わっていません笑) 残念ながら日本には自然享受権がありませんが自然を楽しめる場所はたくさんあるはず。それに大自然である必要は全くないし、身近な自然に気づけていなかっただけだと私自身思っています。自分が今まで気づいていなかった日本の自然をめいっぱい楽しむのが帰国後の私のひそかな楽しみです。みなさんも周りの自然に目を向けてわくわくする時間、ぼーっとする時間、つくってみてはいかがでしょうか?

Words by Ikoi

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