スウェーデンの教育とは?『北欧の教育再発見』を読む
最近読んだとてもおもしろかった本をご紹介します。
スウェーデンの生き生きとした教育現場を知る
スウェーデンでは大学まで無償?
教員たちもフィーカ(Fika)をしたり、ゆとりある働き方をしている?
だれでもいつでも学ぶチャンスがある?
社会福祉のさまざまな面で「優等生」や「理想郷」のようなイメージをもたれることの多いスウェーデン。教育においても、日本人からすると「うらやましいなあ」と思える点がたくさんあります。
2023年5月に刊行された『北欧の教育再発見: ウェルビーイングのための子育てと学び』(明石書店)では、そんなスウェーデンと北欧諸国の教育について、現場の最前線の様子がさまざまな角度から取りあげられていました。
コロナ禍における学校現場、多様なバックグラウンドをもつ移民の子どもたちとの共生、学校としてのLGBTQ+との向き合い方といった今の時代を照らしたトピックから、教員のタトゥーはよいのか、学校の清掃は先生の仕事なのか?といった、日本人にとっては目をひくテーマの議論まで、現地の教育現場の様子が生き生きと伝わる内容です。
(日本では伝統的に教育の一環とされている清掃の時間も、北欧ではちがったとらえ方があり…など、ハッとする気づきも。)
社会のいろいろな面で言えることでしょうが、理想的な姿に映るスウェーデンの教育も、さまざまな問題にぶつかるたびに、現場の先生をはじめ、人びとがきちんと声をあげて話し合い、より良いものに形をかえていく、といったプロセスを重ねて築かれてきたものなのだと、気づかされました。
人生のいろいろな段階で「学びたい」と思った人にその機会を開いているという点でも、スウェーデンの教育は魅力的に映ります。
本書のなかでは、10月に友の会で開催予定の『夏期短期留学体験談とシナモンロール作り』で、社会人になってからの留学体験をお話しされる杉野さんも2023年夏に通ったFolkuniversitet(国民大学)や、日本でも知名度をあげているFolkhögskola(国民高等学校)など、スウェーデン独自の生涯教育機関についても触れられています。
友の会では、今後スウェーデンをテーマにした本のブックトークイベントなども、行なえればと思っています。
Words by hitomi